前回に続き、噛み合わせについてお話しします。
まず、物を噛むのと繋がっていますが、口は身体の入り口でもあり消化器官の1つでもあります。
噛み合わせが悪いと物をしっかり噛み砕くことができなくなるなど咀嚼機能としてしっかり役割を果たせなくなることがあります。
そうするとその後、胃や腸に負担がきてしまう場合があります。
それから、物を噛むだけではなく、スポーツなどの瞬発的に力を入れる時や、踏ん張る時にも噛み合わせは大きく関わってきます。
スポーツ選手はほとんどの方が歯並びが良く、しっかり手入れされています。
他には、噛むときには顎も一緒に動かしているのですが、噛み合わせが悪さは顎関節症の原因でもあります。
それ以外にも原因はありますが、左右均等に噛めていないと少しずつ顎に負荷がかかってしまいます。
それにより顎関節症になってしまい、口が開きにくくなってしまう、開けたときにカクカク音がしてしまう、痛みが出てしまうなんてこともあるのです。
そして噛み合わせの悪さにより、顎だけではなく、全身に影響してくる場合があります。
肩こりや頭痛、腰痛、耳鳴りの原因になることがあったり、特に高齢者の場合は噛み合わせにより歩ける、歩けないの問題になってしまったりもするのです。
なぜ噛み合わせが全身に影響を及ぼすのかというと、噛み合わせが悪いとそれを補おうために重心をずらしてバランスを取ろうとします。
そのずらした重心をカバーするために肩や腰をずらしてさらにバランスを取ろうとするのです。
このように、身体の悪いところをカバーするために他のところが悪くなってしまうという悪循環になってしまうのです。
噛み合わせが全身にも影響するなんてびっくりしますよね。
ですが、これだけ重要なものなのです。
そのため、もし先ほど挙げた不調がある場合は噛み合わせを良くすると治るかもしれません!
歯列矯正で得られるメリットはたくさんあり、噛み合わせを良くする大切さを説明してきました。
矯正して歯並びを良くすることはとても大切ですが、矯正中は様々なデメリットが出てくるので、そのことについても説明していきます。
まず矯正器具をつけなければいけないため、一般的な表側につけると審美面に関して問題が出てきてしまいます。
最近では歯の裏側につける装置やマウスピースで矯正するものもありますが、すべての症例に使えるわけではなかったり、期間が長くなってしまう場合もあります。
また、装置をつけているときに違和感や痛みが出ることもあります。
今までなかったものが口の中に入り、唇や舌に当たるので、慣れるまでの違和感は大きいと思います。
そして顎の骨の中に埋まっている歯を少しずつですが動かすので、どうしても痛みが出てしまうこともあります。
特に硬いものなどは痛みにより食べられなくなってしまうことが多いので、柔らかいものを選んで食べるということも出てきてしまいます。
期間もかかってしまい、あまり歯を動かさないものだと数ヶ月で終わることもありますが、矯正の種類や歯並びにもよりますが、だいたい2年前後という長い期間がかかることが一般的です。
矯正中にはスペースを空けるために、抜歯をしなければいけないこともあります。
そうして長い期間の矯正が終わった後も、移動した歯を定着させるために保定装置(リテーナー)をつけなければなりません。
取り外し式の場合もあれば、ワイヤーのようなものを歯の裏に取れないようにつけてしまう場合もあります。
これを指定された期間つけていないと、元に戻ってきてしまうので注意が必要です。
矯正中のデメリットも書きましたが、もし歯並びが悪くて悩んでいたり、噛み合わせの悪さにより身体に不調が出ている場合は歯列矯正をすることをお勧めします。
一生付き合っていく自分の身体なので、今後のことも考えて決めるようにしましょう。
人によっては、期間もかかってしまうし矯正中のデメリットが嫌で、歯を削って被せ物をして治すという方もいます。
それだと数回の治療で終わらせることができるのですが、削った歯は元に戻ることはありません。
また、歯を削ることによって後々虫歯になりやすくなるなどのトラブルも出やすくなってしまいます。
それぞれにメリットやデメリットがあるので、それらをしっかり考えた上で選択するようにしましょう。
いろいろと不都合がある矯正期間中ですが、歯並びが良くなった時のメリットを想像して乗り切りましょう!